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30代女性の人生設計~「不安」の正体は、キャリアでも老後でもなかった~

人生設計

「人生設計」という言葉に、私は違和感があります

30代女性の人生設計、と検索すると、キャリアプラン、結婚、出産、住まい、健康、親の介護、老後資金……と、項目が並びます。チェックリストのようにきれいに整理された記事が多い。
結婚相談所を10年営んできましたが、正直に言うと、「人生設計が不安です」と踏み込んで相談に来られる方は、それほど多くありませんでした。
多かったのは別の言い方です。子どもを産むには、もう年齢的に限界なのではないか。周りからどう見られるかが気になる。仕事は続けたい、結婚はしたいが、親のことが心配で……。
人生設計という言葉に、私は違和感を覚えます。いくつになったら家を建てて、子どもを何人産んで、という設計図。でも、どこへ向かうのか。人生のゴールが見えないまま、形だけ並べているように感じるからです。気持ちや感情が、ないがしろにされているような気がします。
この記事では、ネット記事のような網羅的な設計図は書きません。相談所に実際に来ていた方の話と、10年見てきた現場の話を書きます。

総合病院の事務員さんのこと

記憶に残っている方がいます。30代後半、総合病院の事務員。一人娘でした。
お子さんについては、あきらめていました。仕事は、できれば続けたい。ご両親の将来、とくにお父様の具合が悪い時期もあって、自分の人生をどうするかと、深い不安を抱えていました。
面談では、こう話してくれました。
男性の方は、お子さんを希望されるだろうけど、自分は望んでいない。将来のことを考えると結婚はしたい。でも、両親がどうなるのかも不安、と。
私たちがかけた言葉は、これです。
自分の子供が幸せになることを望まない親は、いない。だから、あなたは幸せになっていいんだ。
親のことを考えるのは、当然のことです。でも、親御さんは、あなたが幸せになってくれることを、いちばんに考えているはずです。

男性から見たら、価値のない女性だと感じていた

この方の苦しさの中心は、子どもが欲しくないことではありませんでした。
婚活する男性から見たら、自分は価値のない女性なのではないか、と感じていたのです。
お子さんを望まない自分に、男性側から価値を見出してもらえない。そう感じていたから、婚活そのものがつらくなっていきました。
これは、キャリアの話でも、老後資金の話でもありません。婚活という場の中で、自分がどう見られているか、という痛みです。

婚活をあきらめた数か月のあいだ

その結果、一度、婚活をあきらめた時期がありました。正確な期間は定かではありませんが、2~3か月ほどだったと思います。
あきらめたあとも、お見合いのお申込みがあった方とは会い、気になる点があれば話す、という程度でした。自ら積極的に動く、という感じではありませんでした。
人生設計の記事では、目標設定とスモールステップ、と書かれることが多いです。でも現場では、そういう前向きな計画より先に、一度止まる人がいます。それも、ひとつの通過点だと思っています。

今の旦那様との出会い

そんな中で、今の旦那様と出会われました。
旦那様は彼女のことを気に入ってくれ、彼女がお子さんは難しい、と伝えたことも、受け入れてくれたようです。
恐らく、旦那様ご自身が長男ではなく、ご両親の面倒を見る必要がなかったことも、お子さんを希望しない決断の一因だったと思います。具体的な言葉では語られませんでしたが、そう感じています。
人生設計というと、表に出る条件(年収、住まい、子どもの有無)ばかりが注目されます。でも、表に出ない条件(長男かどうか、実家の事情、親の健康)が、決断を左右していることも多い。相談所にいたとすれば、そういう話はプロフィールには書かれていません。
その方は、最終的に成婚退会し、結婚されました。
今でもご夫妻で仲良く旅行を楽しんでおられる姿を送ってくれています。

カウンセラーから見ると、本音は別のところにありました

10年見てきて、30代後半の女性の不安を振り返ると、こう感じます。
人生設計が不安、というより、年齢的な限界と、世間からどう見られるか、のほうが強かった。
子どもを産むには、もう遅いのではないか。周りは結婚しているのに、自分は……。そういう声のほうが、設計図を広げる前に出てきました。
設計図を立てる前に、誰の目を気にしているのか。そこを見ないまま、キャリアと住まいと老後を並べても、心は動きません。

男性会員が若い女性を求める理由

男性会員についても、ひとつだけ。
若い女性を求める方が多い、というのは事実でした。子どもが欲しいから、というだけではないように感じています。友人に自慢したい、外部からどう見られたいか、という気持ちが、優先しているように見えたこともありました。
これは男性を責める話ではありません。婚活という場には、そういう力学もある、という観察です。女性側が「価値がないと感じる」のと、男性側が「若い女性を選びたい」のと、根っこにあるものが似ているかもしれません。どちらも、他者の目が先に来ている。

ゴールのない設計に、気持ちは載らない

「早めに人生設計を」という言葉について。
お子さんを育てることを前提に考えるなら、早めに考えることは大切だと思います。でも、結婚相談所に来られる方の多くは、すでにその段階を過ぎている。うちの相談所だけの話かもしれませんが、そう感じています。
設計図を描く前に、ゴールが必要です。自分にとっての幸せは、どんな状態か。そこが見えないまま、住まいと老後と健康を並べても、設計図は増えるだけです。
だから私が「人生設計が不安」と言う方には、まずこうお伝えしていました。自分の幸せって、どんな状態か、考えてみませんか、と。

まず聞いていたのは、自分の幸せの形

具体的には、こういうことです。
自分の幸せは、自分中心に考えていい、と伝えていました。
親御さんのことを考えるのも大切です。でも、親御さんは、あなたが幸せになってくれることを、いちばんに考えている。先ほどの事務員さんにも、そうお伝えしました。
うまくいった方と、ずっと答えが出なかった方の違いは、シンプルでした。自分がどうなりたいのかが分からない方。そして、最初から結婚を考えていなかった方。後者は、相談所に来る理由自体が、本人の中でまだ定まっていないことが多かったです。
言ってはいけなかったと思う助言もあります。
お相手のいいところだけ見てください、と。
当時は、お相手を見るとき、イヤなところばかりを見る習性がある方が多いと感じていました。だから、嫌なところを打ち消すいいところもあるはずだ、という気持ちで言ったのですが、実際には、イヤなところを感じてしまったら、それを覆すのは難しかった。今思えば、感じた違和感を無視させる言い方だったと思います。

10年見てきて、私が思うこと

改めて、私の結論を書きます。
ひとつ。30代女性の「人生設計」の不安の多くは、設計図の不足ではなく、誰の目を気にしているか、という問題に近い。
ふたつ。子どもを諦めた、仕事を続けたい、親のことが心配、という三つが重なるとき、婚活は「条件合わせ」ではなく、自分に価値があるかどうかの戦いになりやすい。
みっつ。一度あきらめることも、通過点になりうる。2~3か月止まって、受け身で会い続けた先に、成婚に至った方もいる。
よっつ。設計する前に、自分の幸せの形を聞く。親は、あなたの幸せを望んでいる。
人生設計に正解の設計図はありません。チェックリストを埋めることが目的になっていないか。そこだけ、一度立ち止まってみてください。

まず、自分の個性を知ることから

自分がどうなりたいのかが分からない、という方も多いと思います。
その入口として、私がお勧めしているのがACS個性診断です。120問に答えると、自分の個性が12の尺度でグラフになります。相談所時代から、200人以上の方にお受けいただいてきました。
大きい、小さいに良し悪しはありません。自分がどういう発想をする人なのかが見えるだけです。でも、それが分かると、自分の幸せの形も、相手との違いも、具体的に見えてくることがあります。
婚活相談所マナマナ 坂田芳弘

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